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六甲アンテナ

【体験談】障がいを抱えた人が職業訓練校で見つけた再就職への道

私が車いす生活になったのは25歳の時でした。進行性の脊髄の病気で歩行困難となり、当時勤めていた会社はバリアフリーではなかったので、退職せざるを得ませんでした。

 

今回は中途障がい者となり、YKK六甲に再就職するまでを私の経験をもとに紹介します。

 

訓練校でのつながり

車いす生活になり現実を受けとめられず、引きこもり生活になりました。身近に障がいを持った人がおらず、この先の道しるべがなく不安で、どん底に落ちるような思いでした。

 

ある時広報誌で「障害者職業訓練生の募集」を見つけ、障害者の職業訓練校の存在を知ります。「まだ働けるかもしれない」と、自分を奮い立たせ、再就職を目指す決意をしました。そしてハローワークに飛び込み、入校試験を経て、晴れて訓練校に通う事になりました。

 

社会人になってからの学び直しはとても新鮮な経験でした。何より中途障がいを負った境遇の人たちとの出会いで、受傷した時の話を聞いたり、自分の気持ちを吐き出せたことが、前を向く力になりました。

 

また、すぐ再就職ではなく、訓練校の良い意味で「ゆるい社会生活」が、引きこもりで怠惰になった生活習慣を見直すリハビリ期間になったと思います。

 

授業と並行して就活支援もあり、就職が決れば早々に訓練校を辞める人も多かったです。私も訓練校からYKK六甲と流通系の企業を紹介されました。面接で当時のYKK六甲の社長の「障害者の自立」へ積極的な考え方に共感し、YKK六甲に決めました。様々なサポートがあって、引きこもりから抜け出し、再出発できた時は本当に嬉しかったです。

 

「働き方の多様化」の後押しを味方に

 

現在は病状が進行し2016年から在宅で働いています。コロナ禍以降は急速にテレワークが浸透し、在宅でできる仕事も増え、病気は進行しても「やりがい」を感じながら働いています。

 

障がいがあってもなくても「やりがい」を持つことは大切ですね。テレワークの普及は働き方の選択肢を拡げました。子育て世代や介護をされている方も社会参加しやすくなり、「働き方の多様化」の後押しに繋がりました。

 

ワークライフバランスが整うことで障がい者でも制約を受けず、働く場が広がったので、たとえ障がいがあっても社会と繋がりを持ちながらいきいきと暮らす人が一人でも増えることを願っています。

 

「障がい」と一括りに言っても、支援の形は様々です。再就職や社会参加を目指す方の選択肢の一つとして、訓練校もあることを今回は私の経験として紹介させてもらいました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。