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六甲アンテナ

ちょっとほっこり 日常を彩るストーリー♯1「優しさに触れた信号待ち」

今回は、車椅子ユーザーの私が体験した、心温まる小さな出会いを紹介します。このエピソードが皆さんの日常がほっこりするきっかけになったら嬉しいです。

 

優しさに触れた信号待ち

 

ふとした時に優しさに触れることってありますよね。この日、私は偶然そんな一瞬に出会いました。

 

いつものように車椅子で出かけて信号待ちをしていると、ふいに視線を感じました。その方向を見ると、少し離れた場所に杖をついた小学生の中学年くらいの少年がこちらを向いて微笑んでいました。その少年は、体の動きに少し不自由さがあるように見えましたが、その眼差しはしっかりと私に向けられていました。

 

一生懸命に何かを伝えたそうでしたが、意図が読み取れない私。どうすれば良いのかわからず戸惑っていると、少年はゆっくりと一歩ずつ踏み出して、近づいてきました。そして、微笑みながらも、身体の麻痺の影響で振りかざすように少年が私に手を伸ばしました。勢いがあったので一瞬、「えっ?まさか殴られちゃうの?!」と脳裏によぎり、とっさにためらいましたが、私も自然と手が上がり、気づけば少年と交わすハイタッチ。その後少年は、振り向きながら「バイバーイ」と手を振って、私とは別の方向に去って行きました。

 

 

ほんの短い出来事でしたが、 心がじんわりと温まり「小さなしあわせ」を感じました。結局少年が何を言いたかったのかはわかりません。でもきっとその少年が車椅子の私を偶然見かけて、「僕もがんばっているから、おねえさんもがんばってね!」と言いたかったのかな・・・と勝手に汲み取っています。

 

その少年とはそれ以来出会えていませんが、どこかできっと元気にがんばっているはずですよね。

 

日々の中のめぐり合わせで起こる「小さしあわせ」が、また見つかりますように!次回も楽しみにしていてくださいね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。