当時、就職活動で何社か受けた会社はありましたが、面接のときに手話を使って話してくださった会社はYKK六甲だけだったんです。慣れない手話を使いながら、必死に説明してくださる当時の社長の姿に感動し、YKK六甲に入社しようと決めました。
創業当初から在籍しているので、会社の移り変わりや上手くいかない時期も全て見てきました。聴覚にハンディキャップがあるが故に「自分は上には上がれない」と思い込み、仕事に面白みを感じない日々を過ごしていた頃もありましたが、今ではここでのキャリアアップを目指し、毎日頑張っています。

もちろん。小山社長から引き継ぐ形で工場長に任命された当時は、プレッシャーをものすごく感じていました。「指示を出す」というのは想像以上に難しく、「やれ！やれ！」と言っているだけでは皆んなが壊れてしまうし、でも会社全体のことを考えると言わなければだめになってしまう。板挟みになりながらも、皆んなのモチベーションを保つにはどうしたら良いのだろうと悩んでばかりでしたね。

ある社員に仕事を任せたときのことです。仕事量が多かったのもありますが、失敗が続いたため、つい厳しく怒ってしまったことがありました。でもこの一連の出来事をきっかけに、皆んなとのコミュニケーションの大切さや自身のやり方の間違いに気づくことができました。一見、「やれ！やれ！」と言っているだけのように見えていた小山社長ですが、その背景には、きちんとした人間関係ができていたんですよね。だから皆んなついて行っていたんだなと。それからは、一人一人の容量に合った仕事量を振り分けるように意識を変え、皆んなが潰れてしまわないよう心がけるようになりました。

工場長としての仕事、社員のこと、お客様への対応、リスク、私にはまだまだ知らないことがたくさんあります。また小山社長からは、「やると決めたことが正解だと思える責任を持て」「いかに多くの判断材料を作れるかが大事だ」とよく言われています。経験を重ね、一つ一つ学んでいきたいですね。

いつか社長になれたらと思っています。
少しでも可能性がある限り目指していきたいと思っていますし、スタッフのために必死になって動いてくれる小山社長を見ていると、こういう社長らしくない社長も良いなと思うんです。
「自分のことなんて分かるはずがない」と周りに壁を作り続けても、YKK六甲の皆んなは何度も何度も壁を壊しにきました。しんどいことも色々経験してきましたが、そんな風にして私を変えてくださった方がYKK六甲にはたくさん居るんです。だから今度は、私が周りの人達の壁を壊していきたい。「会社のために動くこと」がそれを意味するのなら、今よりも良い環境を作ってあげて、私を育ててくださった恩を、後輩を育てることで返していきたいと思っています。